中野島の小学生に安心・安全な放課後保育の場を

 

厚生労働省発表から学びたいこと(2012.11.25)

 11月12日、学童保育での年間事故件数に関する報道がありました。ご覧になった方も多かったことと思います。

 書いてあったことは
 ・全国の放課後児童クラブ(学童保育)で過去1年間におきた全治1か月以上の重傷事故が227件あった
 ・うち交通死亡事故が1件
 ・前年に比べ34件減った
 ・重傷の内訳→骨折=80%、打撲やねんざ=10%
 ・事故の原因→遊んでいる最中の転倒や転落
 ・1年生が38%を占める
 ・33都道府県のデータ
 ・これらは厚生労働省の発表に基づく

 この報道内容を見て、私(広報)個人は「ひどい報道の仕方をするもんだなぁ」と思いました。ネット上でも似たような反応を多くみかけました。

 なぜ、私が「ひどい報道」と思ったかというと、@「報道内容が事実の断片しか伝えていない」、A「親の不安をあおるだけの記事」に見えたからです。それにまったく建設的でない。

 読んで思ったのは
 「なんで47都道府県ではなく、33都道府県なの?」
 「死亡事故1件、重傷事故227件って、多いの?少ないの?」
 「そもそも小学生の骨折、打撲、ねんざって、年間どれくらい発生するの?」

 「で、この報道で何を伝えたいわけ?」ということ。

 これらを無視して、「死亡事故1件、重傷事故227件」という記事。死亡、重傷事故という言葉がショッキングすぎて、学童に関係する、特に子供を預ける親の不安をあおるだけの記事に見え、「ひどい報道」と思ってしまいました。

 報道の仕組みもアレなのですが、何を伝えるべきかを考えずに元記事を書いた人、それをそのまま載せてしまっているのはいかがなものかと。有料サイトもほぼ同じ報道でした。

親にとってショッキングな数値

 そもそも多くの親は、「自分の大切な子」が「学童保育」で「重傷事故」に会う回数は0件であることを望みます。たとえ、腕白に遊んでほしいと思っていても、「骨折れてもいいよ」とは思う方はほとんどいないかと。ましてや死亡事故なんて。

 ですので、0件でない時点で親にとってはショッキングな数値に見えます。厳しい事実を突きつけられたという感じです。

 でも、0件なら正しいのでしょうか?

 確かに死亡事故は0件にしなければなりません。でも、骨折やねんざも0件でなければ「悪」なのでしょうか。

 骨折やねんざを0件にする方法を私は知っています。それは、「遊んでいる最中の転倒や転落」にけがをするなら、遊ばせなければよいのです。
 もっと言えば、学童保育をなくしてしまえば、学童保育に関する事故は0件になります。
 ひどい話です。数値が独り歩きすると、こうなる可能性すら否定できませんよ。

 これって、いじめ0件と報告する組織と同じ様なロジックに私には見えます。

 小学生がいきいきと遊んでいれば、事故はある程度起きてしまうものだと思います。私は子供のころ学童には行っていませんでしたが、学校の昼休みに高鉄棒で骨折をしたことがあります。休み時間は校庭で遊んではいけませんとでもいうつもりなのでしょうか。

 ですので、この記事に対して「小学生から遊びをとりあげろと言っているのか!」と怒り、「学童保育を無くせとでも言うつもり?」、そういうつもりで書いたのではないでしょうが、そう見えると怒っている方が少なくないのだと思います。

メディアとして伝えるのであれば

 今回のケースでは、メディアは厚生労働省の発表を学童に関心を持つ方に伝えるという役割を担っています。
 でも、今回は、メディアが分析しなければならない情報を分析せず、伝えなければならない情報を伝えていないと私は思います。

 まず、メディアはこの数値の価値を分析できる貴重な存在だと思います。
 親はこの報道を「自分の子供」に置き換え、重傷事故が0件であることを望みますが、メディアは親ではないので冷静にこの数値の価値を分析することができるはずです。

 学童保育でなくとも、野球やサッカーなどのスポーツクラブ、スイミングスクールなどでも事故はおきえます。冷静な分析の結果、学童保育における重傷事故の数値が異様に多いのであれば、それは大きな問題であると判断できます。

 このデータは厚生労働省が発表したものです。
 おそらく、文部科学省や国土交通省、警察が管轄しているエリアにはふみこんでいないでしょう。就学中の事故、行き帰りの事故、道路構造上の問題や道路設備の異常による事故などいろいろ考えられます。

 今回報告された死亡事故は指導員が付き添い、学童に行くまでの間に発生したと聞きます。それは指導員の怠慢やミスによるものなのでしょうか。
 指導がしっかりしていれば、事故は防げたのでしょうか。あるいは親なら防げたのでしょうか?

 本来、無くさなければならない問題は、すべての小学生が遭遇する可能性のある交通事故そのものだと私は思います。小学生が一人で出歩いても交通事故にあわない社会、そしてわれわれが事故を起こさない社会を作っていかねばならないと思います。

 そして、以下の問題にするどく踏み込めるのがメディアではないのでしょうか?

 「なんで47都道府県のデータではなく、33都道府県なのか?」
 「死亡事故1件、重傷事故227件って、多いの?少ないの?」
 「そもそも小学生の骨折、打撲、ねんざって、年間どれくらい発生するの?」
 「学童保育って4年生までのところが多いし、全体に占める1年生の数ってそもそも多くないだろうか?1年生がことさら事故にあう確率が本当に高いのだろうか?」

 厚生労働省が発表した内容は事実ですが、小学校の生徒の生活全般を示すものではありません。
 このような点について、メディアはもっと広く見ることができるのではないでしょうか?

 そして、断片の発表ではなく、子供たちの安全に資するデータの発表が行われる様、指摘ができる力をメディアは持っているのと私は思います。

伝えてほしかった情報、われわれが学ぶべき情報

 まぁ、今回の報道がそこまで分析する商業価値がないとメディアが判断したのであれば、それは仕方がないかもしれません。
 でも、そこは百歩譲ったとしても、今回の厚生労働省が発表した内容のなかで、学童に関心がある方に伝えるべき情報を伝えていない様に私は思います。

 みなさま、今回の報道の元になった発表がありますので、それをご覧ください。
 「放課後児童クラブの事故報告について(厚生労働省 平成24年11月9日事務連絡)」

   この中には、学童保育に関心のある方が目にすべき情報の様に思いますし、学童保育に関係する人間なら学ぶべき情報があると思います。

 価値がある情報が存在するのに、不安だけあおり、重要な情報の存在を伝えなかったニュース作成者に私は疑問を持ちます。

関係者として考えること

 学童保育に子供を通わせる親として、そして自主ではありますが運営に携わる一人の人間として、私が目指したいのは「保育の充実」と「重傷事故0件」の両立です。
 大切な自分の子どもや、学童に通うすべての子ども達を重傷事故にあわせないために、厚生労働省がまとめてくださった情報を真摯に受け止め、価値ある提言を参考にしながら、「保育の充実」と「重傷事故0件」の両立を目指し、仲間や子供たちと協力していきたいと思います。

 事故防止のためのポイント(「放課後児童クラブの事故報告について(厚生労働省 平成24年11月9日事務連絡)」より抜粋)

 ・遊具の使用ルール・適切な使用方法について指導を徹底する。
 ・集団生活の場としての環境を整える。
 ・安全に関する指導を徹底する。
 ・事故が発生した場合の対処方法を事前に準備しておく。

お問い合わせ先 中野島学童ホール 〒214-0012 川崎市多摩区中野島6-17-1
nakagaku0622@gmail.com (@は半角に置き換えてください)
044-935-5235
保育の時間帯、不在時の電話は折り返しご連絡させていただきますので、あらかじめご了承ください。)
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